
【健康・ダイエット】必見!知ると得する筋肉のお話 〜遅筋と速筋〜
近年は大人だけでなく、子供も運動能力が減少してきています。
筋肉を鍛えた方が良いと言うけれども、筋肉のことを知らずに運動しても効率の良い狙ったトレーニングは行えません。
そもそも筋肉とは、「筋繊維」と呼ばれる細長い細胞が束になってできています。この筋繊維は、運動をすると切れます。すると一回切れた筋繊維は強くなり、次は切れないように、と太くなります。これが「筋肉が増えた」状態ということになります。
筋繊維の種類はタイプで速筋と遅筋の2つに分けられ、その中でも速筋(白筋)はさらに2つのタイプに分けることが出来ます。
速筋と遅筋の違いをもっとも分かりやすく表現するのが色です。魚でも赤身と白身のものがいるように筋肉も色の傾向から速筋を白筋、遅筋を赤筋と呼びます。また先に述べた白筋の2種類には通常の白筋と少し赤みを帯びた白筋と赤筋の中間の役割を果たすピンク色の繊維があります。
今回は筋繊維、遅筋と白筋の特徴とそのトレーニングの考え方をご紹介します
筋繊維とは

筋肉はひとかたまりのお肉という訳ではなく筋繊維という紐のような繊維が集まった集合体のことをいいます。
速筋と遅筋も同じ筋繊維ですが役割が異なります。速筋と遅筋のそれぞれの特徴について解説していきます。
筋繊維はおもに瞬発力のある「速筋」白い筋肉と呼ばれる筋繊維と、持久力のある「遅筋」赤い筋肉と呼ばれる筋繊維の2種類に分けられています。
速筋と遅筋の割合は、欧米人や日本人の外見を見て分かるように遺伝子で決まっていると言われています
遅筋(赤筋)とは

エネルギーを作り、エネルギーをリサイクルできる筋肉

「遅筋(赤筋)」は心臓の筋肉「心筋」や、姿勢を真っ直ぐに保つ為の「姿勢保持筋(抗重力筋」などに多く赤い筋肉と言われ、ミオグロビンとミトコンドリアを多く含んでいます。
瞬発性の運動には不向きな筋肉ですが、ミオグロビンは筋肉内へ酸素を運び、ミトコンドリアはエネルギーを作り出せる筋肉で、マグロやカツオなどの回遊する魚に多く、マラソンランナーのように持久的な運動に向いている赤い筋繊維です。
長時間続く有酸素運動の時に脂肪がエネルギーとして使われやすいので、脂肪を燃焼する筋肉ともいわれています。
人体の筋肉では心臓に遅筋が多く存在します。遅筋の別な能力として乳酸をエネルギー源に変え、再利用する自給自足の能力があります。
心臓は24時間休むことなく寿命が訪れるまで拡張収縮を繰り返す臓器なので、乳酸で体が酸化して疲れることがないように遅筋で守られているのです。
遅筋繊維のトレーニングの特徴
①有酸素運動を取り入れる
遅筋繊維は酸素を蓄えるミオグロビンが豊富でエネルギーも酸素を多く使います。
そのため遅筋繊維のトレーニングに最も有効なのが有酸素運動です。有酸素運動を主なトレーニング内容としているマラソン選手の遅筋繊維の割合は70%を超えているといわれます。
ランニングや水泳、サイクリング(ゆっくり)などを積極的に行います。
②低負荷高頻度のトレーニング
遅筋繊維を意識した筋トレを行う場合は『低負荷高頻度』を意識していきましょう。
通常のウェイトトレーニングでは10~15回程度の負荷ですが、ウェイトを軽くして15回以上たくさんの回数を行うトレーニングを行います。
③姿勢を保つ
普段の生活において、私たちは重力にさらされています。この際に何も意識しなくても、姿勢を保つ為の筋肉が無意識に働いています
立ったり、腕で体を支えたり、様々なポーズで姿勢を保つようなトレーニングを行う事で遅筋繊維をトレーニングする事が出来ます。
速筋(白筋)

エネルギーの消耗を抑え、リサイクルできるエネルギー乳酸を作る筋肉)

「速筋(白筋)」は、糖質をエネルギー源とした瞬発的な運動に向いている短距離向きの筋繊維で、ヒラメなど多く、砂地に潜みとおりかかった小魚などの獲物を素早く捉えるような動きができます。
速筋は糖質エネルギー代謝産物である「乳酸」を作るため、乳酸が増えると体内は酸性化して筋肉の収縮する動作が著しく低下しやすいことから疲労しやすい筋肉とも言われています。
持久力を必要する運動には不向きな筋繊維ですが、酸素の使用量が少なく、遅筋に比べミオグロビンも少な心臓は多くの血液を送らなくても良いため、乳酸が溜まるほどの活動量でなければ心臓に負荷がかからずエネルギーの消耗を抑えることができる筋肉です。
速筋繊維のトレーニングポイント
①トレーニングスピードは速く
速筋は収縮速度の速い筋肉であることが特徴です。その特性を活かすためにウェイトを挙げる際には速く挙げることを意識しましょう。
②使っている筋肉を意識する
速筋の特徴の一つとして意識的に動かしやすいという利点があります。赤筋は意識的にというよりは無意識で動いていることが多いので筋トレを行う場合はできるだけ動く筋肉を意識することが重要です。
③負荷は大きめ
速筋の鍛えかたの重要なポイントはスピードと負荷です。特にウェイトを挙げた後に戻す動作(エキセントリック)は高い負荷がかかります。ウェイトを挙げるときは素早く、元のポジションに戻るときはゆっくりと戻すことでより負荷の高いウェイトトレーニングを行うことが出来ます。
④素早く力を使う動き
動作やパフォーマンスで速筋のトレーニングを行う場合は瞬発的な動きを積極的に取り入れるようにしていきましょう。
運動のことを知る上で、この筋肉の種類を知り、有効なトレーニング方法を知るのはとても重要です。
美容、健康、子供の体力など、様々な事に有効ですので是非知って実践してみてください。