【医療】最新の怪我した時の処置の仕方

スポーツの現場では、特にサッカーやバスケットボールのようにプレー中の選手が接触の多いスポーツでは打撲、捻挫などの外傷を受けることがよく起こります。

その際の適切な処置として、従来はRICE(Rest/Restricted activity; Ice; Compression; Elevation) 処置を使用していました。

学生時代や、講習に行っても定番の処置の方法で知っている方も多いのではないでしょうか。

しかし、海外での研究を重ねるにつれて、従来のRICE処置でははなく、今回のPOLICE処置が怪我直後の処置に適切であると判断され行われています。

怪我が発生した直後に適切なPOLICE処置をすることが患部の傷害が深刻化を防いだり、治癒期間を早めることにつながるので、POLICE処置はスポーツ選手の現場復帰や、子供の怪我の早期治療を行う上でとても重要なものです。

POLICE処置とは

POLICEはそれぞれ、以下の処置の頭文字を意味しています。

P : Protect (保護)

ヒトの身体は怪我などの傷害を受けるとすぐにその外傷を回復させようとする反応を起こします。

患部を保護する事で損傷部位の脹れや血管・神経の損傷の深刻化を防いだり、患部が新たな2次的傷害を負う危険性を防ぐことができます。

痛みが強くないからと選手が自己判断をして患部に負担をかけたまま、練習や試合を続けることで、後により大きな傷害を引き起こす原因となることもあります。

O L : Optimal Loading (適度な運動)

適度な強度の運動を取り入れることで、血液の循環を促します。血液は酸素や栄養素など怪我の修復に必要な分子を運ぶ役割を果たします。また、運動を行うことで筋肉の萎縮を防ぎます。
その為、怪我をしたからと何もしないわけではなく、怪我をしていない患部外のトレーニングが必要です。
例えば、足の怪我をしている時でも痛くない範囲で上半身のトレーニングは行うべきでしょう。

I : Ice(冷却)

怪我を負った患部を冷却するのは、冷やすことで痛みを減少させます。

また血管の収縮を促し患部の腫れや炎症を抑えることが目的です。

通常、外傷を負ったらすぐにアイスバッグやアイスバケツなどで患部を約20分間冷却します。

C : Compression(圧迫)

弾力性のある包帯などで患部を固定して圧迫し、患部の内出血や腫れを小さくすることを目的とします。

圧迫する時は、身体の端から身体の中心、心臓に向かって圧迫していきます。

例えば、足首に捻挫を負った場合は、足先から太ももに向かって圧迫をしていきます。

圧迫しすぎると循環機能に傷害を与えてしまう可能性があるので、神経や動脈を圧迫していないか確認するため、頻繁に脈拍や皮膚の色、温度などを確認することが大切です。

もし脈拍数が下がったり、皮膚の色が青白く変化したら、患部の圧迫が強すぎると判断して圧迫の強度を緩めます。

E : Elevation(挙上)

患部を挙上することにより、患部に血液や体液が侵入して腫れが大きくなるのを防ぎます。

血液は心臓のポンプ作用、重力によって身体の末端まで送られるので、患部を心臓より高く上げることが挙上の大きなポイントです。

足に外傷を受けた場合は、硬すぎないクッションなどを使用して患部を心臓より高く挙げます。

このような適切なPOLICE処置をせず、患部の腫れや炎症が深刻化してしまうと、神経などを圧迫して新たな傷害を引き起こしてしまい、患部が治癒してスポーツの現場に戻れる状態になるまでの時間が長くなってしまうことがあります。

早く治って欲しいからこそ、安静にするのではなく動かしていくのがこれからの主流になります。


自己判断せず、医療機関や経験のあるトレーナーに相談してください。

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